ユング心理機能とアーキタイプ|ジョン・ビービーの8機能モデル
あなたの性格には、「無意識に得意な部分」や「気づかない影の側面」があることをご存じですか?
「ユングの心理機能」を、ジョン・ビービー博士は“8つのアーキタイプ”として整理しました。
こちらの図は、16タイプごとの心理機能とアーキタイプの関係を図で表したものです。

(ジョン・ビービー博士の8機能モデル)
「アーキタイプ」とは?
アーキタイプとは、”原型”と呼ばれ、「人間の心の奥深くに共通して存在する、イメージや役割の型」のことです。
ユング心理学では、このアーキタイプが人の行動や感情、夢、物語に深く影響を与えているとされます。
ユングは、人間の心の奥底には「集合的無意識(Collective Unconscious)」という領域があると考えました。
この無意識は、個人の経験によらず、人類共通の“型”が眠っている場所です。
その型のことを アーキタイプ と呼びます。
ユングの心理機能を8つのアーキタイプに当てはめる
ユングが「8つの心理機能(Se, Si, Ne, Ni, Te, Ti, Fe, Fi)」を提唱しましたが、ジョン・ビービー博士は、この8つの機能をそれぞれアーキタイプに結びつけるモデルを作りました。
このモデルでは、上の第1〜第4機能が「意識的な心の働き」、第5〜第8機能が「シャドウ(無意識の影)」に位置づけられます。
普段は意識していないけれど、ストレスがかかった時や強く反応してしまう時、私たちはこのシャドウの機能を無意識に使っているのです。
以下はその簡略版:
順番 | アーキタイプ | 意味 |
---|---|---|
第1機能 | ヒーロー | 自分の主機能。問題を抱えた相手を、ヒーローのように助けようとするエネルギーが自然に働く。勇気にあふれ、自己犠牲もいとわない一方で、どこかで賞賛を求めたり、「これが正しい」と信頼しすぎてしまう面もある。 |
第2機能 | 良い親 | 補助機能(人を助ける機能)。無意識に使うと、相手とは良い親の心で関わる気持ちになる。相手を手伝ってあげたり、守ってあげたり、育成する行動を取る。 |
第3機能 | 永遠の少年 | 子供のように遊び心を求める。大人の責任から逃れたい、楽しみたいという熱意を表現するときに出る。遊び心に溢れすぎて、約束の成果を上げることができなくなり、相手のせいにしてしまうところがある。とても熱心で、何か大変なことをやろうとするが、すぐに疲れてやめてしまうことがある。 |
第4機能 | アニマ・アニムス | 劣等機能。コントロールが難しく、無意識の入口となる。男性には女性的な「アニマ」、女性には男性的な「アニムス」として現れる。やる気や興奮、誘惑・裏切り・恨みなども引き起こす(真逆のタイプを好きになったり、真逆タイプと結婚する理由はこのアーキタイプの影響と考えられる)。 |
第5機能 | 敵対者 | 相手を遠回しに相手を傷つけたり責める態度を取り、受動的に攻撃する。被害妄想になったり、自分を嫌いになる行動をする。 |
第6機能 | 批判的な親 | 他人や相手のモチベーションを破壊したり、厳しく攻撃したり、深く傷付けようとする。相手に精神的苦痛を与える。 |
第7機能 | トリックスター(道化師) | 自分も相手も騙そうとします。境界を侵したり、道徳的な規範を無視する。自分も相手も行動できないような状況を作ってしまい、相手のせいにしてしまう行動を取る。 |
第8機能 | 悪魔・デーモン | 一番無意識な機能。ストレス時には、破壊的で悪意ある形で現れるが、意識的に向き合うことで見えていなかった自分の一面が見えるようになる。創造力やひらめき、内なる力を引き出す可能性もある。 |
自己開発の本質とは?
これらの心理機能は、誰もが8つ持っているとされており、それぞれに「使いやすさ」や「出やすい反応のパターン」があります。
それぞれの心理機能が第1機能〜第8機能に配置されており、その位置ごとに特有の反応傾向があります。
たとえば――
- 第1機能は「自分らしさの中心」であり、自信を持って使える反面、過信しやすくなる
- 第3機能は「子ども」のように熱心にやるが、やる気が続かないこともある
- 第5機能や第8機能は無意識に現れ、ストレス時に否定的なエネルギーとして表れることがある
そして、自己開発とは、この「位置に縛られた感情的な反応」から、自分の心理機能を解放していくプロセスだと考えられています。
心理機能がその位置のクセに縛られているとき、私たちは無意識のうちに反応しています。
「なんであの人にイラっとするんだろう?」
「なんで無理してまで頑張ってしまうんだろう?」
――それは、心理機能が無意識に動き、その“感情のクセ”に私たちが振り回されている状態です。
ここで大切なのが、自分の心の動きに気づき、意識化することにあります。
自分のパターンを知り、感情のクセに気づくこと。
自己開発とは、心理機能にとらわれず、本来の自分の可能性を生かしていく成長のプロセスなのです。
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